地方独立行政法人の会計情報

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地方独立行政法人の会計情報

公立大学法人や地方独立行政法人に適用される会計基準その他の情報です

会計基準関係 機会費用の計算利率(マイナス金利の影響)

会計基準関係

行政サービス実施コスト計算書の機会費用の計算利率は注記が必要です。 

第76(公営企業型は第785) 注記事項
行政サービス実施コスト計算書には、次の事項を注記しなければならない。
(3) 地方公共団体出資の機会費用があるときは、計算に使用した利率
(4) 国又は地方公共団体からの無利子又は通常よりも有利な条件による融資取引の機会費用があるときは、計算に使用した利率

この計算利率については地方独立行政法人の基準やQ&Aには記載がありませんが、通常は独立行政法人会計基準Q&Aなどを参考に日本相互証券が公表する10年新発国債の利回りを使用するのが一般的です。 

Q78―2 行政サービス実施コスト計算書における政府出資又は地方公共団体出資等の機会費用算定に用いる「一定利率」はどのように決定するのか。また、共通の数値を策定し、各独立行政法人に通知するなどの周知は行わないのか。

1 政府出資又は地方公共団体出資等の機会費用は、当該出資額を市場で運用したならば得られたであろう金額として計算すべきものであり、「一定利率」の数値としては、国債の利回りを参考に決定することとなるが、独立行政法人間の比較可能性が重要であり、「一定利率」については、各独立行政法人が共通の数値を使用することが望ましい。
2 具体的に使用すべき「一定利率」については、決算日における10年もの国債の利回り(具体的には、決算日(当日が土・日曜日の場合は直前の営業日)における10年国債(新発債)の利回りであり、日本相互証券が公表しているものによるものとする

日本相互証券が公表した平成28年3月31日の10年新発国債の利回りが△0.050%でした。
この場合どうするのかと思っていたのですが、総務省の事務連絡によって「△0.050%」で計算せずに、「0%」で計算することになりました。

その注記の文言ですが、国立大学では文部科学省から通知があったようですが、総務省からは具体的に注記文言が示されませんでした。どうするのかなと思っていたら概ね下記のような文言で記載するようです。 

決算日における10年もの国債(新発債)の利回りは△0.050%でしたが、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入を受けた平成27事業年度財務諸表における行政サービス実施コスト計算書の機会費用算定の取扱いについて(留意事項)」(平成28年4月25日付け総務省自治行政局行政経営支援室、総務省自治財政局公営企業課、総務省自治財政局財務調査課事務連絡)に基づき、0%で計算しています。

マイナスで計算するか、ゼロ止めとするかは、どちらでもいいと思うのですが、ゼロ止めにするんでしたら基準なりQ&Aの改訂をすべきでだと私は思います。「事務連絡」で済まされるとその「事務連絡」を知らない一般の財務諸表利用者には何のことかさっぱりわかりませんので。

本件に関してもう一つ思うのは、地方債の利回りで計算している法人や「決算日」の利回りを使用せずに期首期末の平均で計算している珍しい法人は総務省からの「事務連絡」を受けてどのような開示をするのでしょうか。ちょっと楽しみです。

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