地方独立行政法人の会計情報

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地方独立行政法人の会計情報

公立大学法人や地方独立行政法人に適用される会計基準その他の情報です

秋田大学の寄附金不正について動きがありました。

不正情報

その後の対応と再発防止策が公表されました。

平成26年度決算に係る不適切な会計処理に関するその後の対応と再発防止策について|国立大学法人 秋田大学

 

 あっと言う間にホームページから削除された10/7付公表文書も復活です。

平成26年度決算に係る不適切な会計処理について(お詫び)|国立大学法人 秋田大学

 この件に関しては過去のエントリーに記載しています。 

kaikeichihou.hatenablog.com

 

 今回の公表文書については私は以下のように思いました。

1.公表文書のタイトル

平成26年度決算に係る不適切な会計処理に関するその後の対応と再発防止策について

 明らかな不正であり、粉飾決算だと思いますが、いまだに「不適切な会計処理」のままです。この表現で、どのような認識か推し量ることができますね。

2.27年度の修正処理

仕訳 前期損益修正損 / 寄附金債務 7億 2,243万7千円

 これしかないでしょうね。もちろん注記も必要ですね。

 注目は会計監査人と監事ががどのように判断し、監査報告書に記載するかです。何も書かない可能性もありますが、ひとつの事例として大変興味があります。

3.役員会の機能強化 

役員会における財務に関わる議論を活発化し、適切な会計処理が確実に行われる環境を作り出す

 役員会での財務の議論がどのようなものかはわかりませんが、議論を活発化するのは良いことだと思います。しかし、専門家ではないトップが財務内容そのものを議論してもあまり意味がないと思います。

 現状について報告を受け、仮に財務内容に問題がある場合はその原因は何で、対処するためにはどのような方策があるか、その方策にはどのようなメリットやデメリット(リスク)があるかなどの報告を受け、これらの情報をもとに議論を行い方向性を示したり、判断を行うのがトップマネジメントですね。

 役員会で真摯な議論が行われてるのであれば、議事録を公開すれば改善状況がわかって良いかもしれません。

 適切な会計処理が確実に行われる環境を作り出すためには、役員会そのもので行えることはあまりないと思います。そもそも。今回の不正が役員「会」の指示でおこなわれたのなら別ですが、そうではないですし。

 役員会そのものよりも、学長が絶対に同様の事態は引き起こさないという不退転の決意とそのためにはあらゆる手段を尽くすということを事あるごとに内外にどんどん示すことがもっとも重要だと思います。

平成27年度末を持って任期が満了する監事の後任については、公認会計士等の専門家を登用するため、その人選を進めております

 それで良いのでしょうか。解任ならわかりますが、今の監事は3月末で任期満了でサヨナラで良いのですか? 監事の責任ってその程度のものでしょうか?

 理事会に出席しておられる公認会計士の先生が後任を務めるのかもしれませんが、今回の問題の尻拭いを4月から着任した監事に任せるのでしょうか。せめて現任の監事の方が前期損益修正損の計上された財務諸表に対する意見を表明し、監査報告書にサインしてから引き継ぐべきではないでしょうか。

4 内部監査の強化と監事との連携強化 

内部監査チームを強化し、監査結果の役員会への報告義務を課します

 内務監査チームの監査内容がどの程度までかはわかりませんし、頻度もわかりませんが、最初は良いのですが、形骸化しないようにする必要がありますね。また、監事監査や会計監査人監査との連携や住み分けも重要です。

平成27年12月末までに体制強化や仕組み等の検討を行い、平成28年2月までに体制等の整備を進め、同年3月に学内周知を図り、同年4月から本格実施いたします

 ちょっと遅いと思います。今までに時間があったとのではないでしょうか。

5.奨学寄附金の取扱規程の見直し

平成28年度から新たな規程の下で実施いたします

 これも遅いと思います。じっくり練りなおすような類の話ではないような気がします。今回の不正は理事の指示に基づいて行われいるので、内部統制が働いていません。つまり、規程がどのような内容でも防ぐことはできなかったはずです。

6.部局・職域の壁に捉われない情報の共有

・関係部署による定期的な会合(財務・施設系連絡会)の第1回を平成27年11月30日に開始

・関係者による定期的な会合(事務協議会)の第1回を平成27年12月14日に開始

・大学運営会議への関係事務職員の陪席を12月の会議から開始

 今後、趣旨不明の会議が頻繁に行われることにはならないでしょうか。

 予算が大幅に超過する場合についてはきちんと手続きが定められているはずです。財務部門でもすぐわかるはずです。その手続きの徹底や改善をはかるだけで良いのではないでしょうか。必要な会議は開催すべきですが、意味のない会議が増えても無駄な事務が増えるだけだと思います。

7.コンプライアンス研修

平成28年1月に事務系職員(課長補佐クラス以上全員)を対象とした「コンプライアンス研修」を実施

 コンプライアンスの重要性の再認識は必要ですが、今回の不正を指示したのは理事ですね。職員よりも理事が真っ先に研修を受けるべきではないでしょうか。

8.会計監査人

何も書かれていません。

 文科省の方がわかった7億円の粉飾を摘発できなかった会計監査人はそのままでしょうか。東芝については監査契約の更新を辞退されたようですが。

 

 

 

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